2005年10月23日

レーシックLASIK)について

レーシックLASIK)とは、眼鏡やコンタクトレンズへの依存を軽減するための手術方法です。このWEBサイトでは、アメリカFDAのホームページを元にして、レーシックLASIK)手術に関する重要な情報を一般に公開していきます。このサイトでは、手術前に知っておくべきこと、手術中に起きること、手術によって期待される結果について解説しています。またLASIK手術を行う前に医師に質問すべきこと、従うべきこと、レーシックLASIK)手術に関するチェックリストや単語集も提供していく予定です。

レーシックLASIK)はLaser-Assisted In Situ Keratomileusisの略で、エキシマー・レーザーを用いて、眼の正面を覆っている透明なカバーである角膜の形を永久に変化させる方法です。マイクロケラトームというナイフを用いて角膜の表面を薄ききって折りぶた(フラップ)を作ります。フラップの一方の端は角膜につけた状態にしておきます。コンピューター制御されたレーザーからの波動で角膜の基質(ストロマ)を乾燥させた後に、めいくっておいたフラップを元に戻します。この他にも方法がありますし、レーシックLASIK)に関連した新しい言葉も存在しています。

レーシックLASIK)手術については、神戸クリニックから以下のような分かりやすい模式図が提供されています。またレーシックLASIK)手術の解説・体験者の動画を神戸クリニックが提供しています(ダウンロードにすこし時間がかかります)。


レーシックの仕組み


角膜実質を近視や乱視の度数に応じてエキシマレーザーを精密に照射し、眼の屈折力を正しい状態に戻します。コンピュータープログラムによりレーザーを精密に制御するため、顕微鏡レベルの微量の角膜組織を正確に取り除くことができます。

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手術の前に点眼薬で麻酔しますマイクロケラトームで角膜の表面を削り、フラップをつくりますフラップをめくります
456
エキシマレーザーを照射して、近視や乱視を治します元の位置にフラップを戻しますフラップを自然に接着させます
提供:神戸クリニック

レーシックLASIK)とは?

眼と視覚エラー

眼の一部である角膜は、ちょうどカメラのレンズがフィルム上にイメージを作るときに光の焦点をあわせているのと同様に、網膜に画像を作るために光のピントを合わせるのを助けています。光を曲げたり、光の焦点をあわせたりするのを屈折といいます。しばしば、角膜と眼の形は完璧ではなく、網膜に写るイメージは焦点がずれていたり、またはぼやけていたります。このような、眼が焦点をあわせることの欠陥を屈折障害といいます。屈折障害は、「近視」「遠視」「乱視」の3種類に大きく分けられます。近視の人は、近くのものに比べて遠くの物が見づらくなります。遠視の人はその逆で、遠くのものに比べて近くのものが見づらくなります。乱視は角膜またはレンズの不整により網膜上の画像がゆがむことを意味します。近視と乱視、または遠視と乱視が並存することもよくあります。「近視」「遠視」「乱視」についても、神戸クリニックが提供している以下の模式図が参考になります。

近視・遠視・乱視の仕組み

■各症状をクリックすると、それぞれの症状解説が表示されます。





眼鏡やコンタクトレンズは、上記のような眼の欠陥を補正するように設計されています。眼の焦点調節機能を改善する手術を屈折矯正手術といいます。レーシックLASIK)手術においては、特別なレーザーで角膜組織の一部を正確に切除し、フォーカス能力を変えるために角膜の形を整えます。

他の屈折矯正手術

レーシックLASIK)以外に、放射状角膜切除術(RK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)等といった角膜変形技術も用いられます。RKにおいては、非常に鋭利なナイフで角膜に切れ目を入れて、角膜の形を変形させます。PRKは角膜の形を変えるために開発された最初の手術方法で、レーザーで彫刻して角膜の形を変えます。レーシックLASIK)でもPRKでも同じタイプのレーザーが使用されますし、レーシックLASIK)とPRKではしばしば全く同じレーザーが使用されます。この2つの手術の大きな違いは、角膜の中間層であるストロマをレーザーで乾燥させる前の手順にあります。PRKでは、角膜の最上層である角膜上皮は、角膜上皮の下にあるストロマを暴露するためにすっかり取り払われてしまいます。一方、レーシックLASIK)では、角膜上皮はフラップとして残しておき、レーザー照射後にフラップは元の場所に戻されます。

この他の屈折矯正手術に角膜熱形成術というものがあります。この方法では熱をかけて角膜の形を変形させます。熱はレーザーで作り出しますが、そのレーザーはレーシックLASIK)やPRKで使用するレーザーとは異なります。その他の屈折矯正手術器具としては、角膜に挿入して使用するcorneal ring segmentsや角膜の形を一時的に変形させるコンタクトレンズなどがあります(角膜矯正術)。

FDAによる規制

アメリカにおいて、FDAはレーシックLASIK)に用いるレーザーなどの医療用器具の販売を規制しています。医療用器具を合法的にアメリカで販売するためには、その医療用器具を販売する会社または人はFDAの承認を得る必要があります。承認を得るためには、販売社/者は医療用器具が特定の使用(適応)において安全で効果的であることを示す事実を提示しなければなりません。


最初にFDAが承認した屈折矯正手術用のレーザーシステムは、近視を治療するPRKに用いるエキシマー・レーザーです。このレーザーは後に乱視を治療するPRKに使用するレーザーとしても承認されました。しかしながら、その後医師はこれらのレーザーをレーシックLASIK)に使用したり、その他の屈折障害の治療に使用するようになりました。ここ数年において、アメリカでは、近視の手術治療においてレーシックLASIK)は最も一般的な方法となりました。また、最近になって、いくつかのレーザー製造会社は、近視、遠視、乱視を治療するレーシックLASIK)や遠視、乱視を治療するPRKののためのレーザーシステムの承認をアメリカFDAから取得しています。

【重要】レーシックLASIK)をしないほうがよい場合・状態

■以下の項目に当てはまるような方はレーシックLASIK)手術の良い候補とはいえません。

リスクをとる気がない人:少数の患者に不可避な合併症がおきる可能性があります。また、現在の方法に関する長期データはありません。

キャリアの障害になる可能性がある人:屈折矯正手術を禁じている仕事があります。手術をうける前に雇用者に手術をうけてよいかどうかのチェックをうけましょう。

コストが問題となっている人:大部分の医療保険は屈折矯正手術への支払いをカバーしていません。以前に比べてコストが低下しているとはいえ、安いとはいえません。

ここ1年間でコンタクトレンズまたは眼鏡を変えた人:この状態を屈折不安定といいます。以下のような屈折不安定である可能性がありますので、さらなるリスクがおきる可能性について医師と相談してください。

 20歳前半以下の人
 糖尿病などによりホルモンが変動している人
 妊娠または授乳中である人
 視力を変動させる薬剤を服用している人

傷の治癒に影響を与える疾患の人または薬剤を服用している人:自己免疫疾患、免疫不全、糖尿病患者、またはレチノイン酸やステロイドなどの薬剤を服用している人は屈折矯正手術後の治癒が妨げられる恐れがあります。

コンタクトスポーツ(対戦相手の体に接触するスポーツ)をしている人:ボクシング、レスリング、マーシャルアーツ等の眼や顔への打撃が避けられないスポーツをしている人。

大人ではない人:18歳以下の人にレーシックLASIK)を実施することは承認されていません。


■注意

特定の病気に罹っている人において、屈折矯正手術の安全性と有効性は確認されてていません。以下のような症状を有する人は医師と相談してください。

眼の領域の単純ヘルペスまたは帯状ヘルペス
緑内障、緑内障の疑い、眼内圧亢進
ぶどう膜炎/虹彩炎等の眼疾患
眼のけが、眼の手術歴
円錐角膜

■その他のリスクファクター

以下のリスクの兆候または状態について医師はスクリーニング(検査)する義務があります。

眼瞼炎:LASIK後に角膜の炎症または感染症のリスクを高める可能性があります。

瞳孔が大きい:暗い部屋で瞳孔の検査がされたことを確認してください。若い患者さんまたは特定の薬剤を服用している人は、ほのかな明かりの中で瞳孔が大きくなる傾向があるかもしれません。瞳孔が大きいと、ギラギラ、円光、星形、二重映像といった症状を手術後に発現する可能性があります。これらの症状によって、非常に消耗する患者さんもいます。たとえば、霧等の特定の気象条件の中や夜中に車を運転できなくなったりするかもしれません。

角膜が薄い:角膜は薄い透明な皮膜で、色がついた部分である虹彩を覆っています。大部分の屈折矯正手術は、角膜の形を変えることで眼のフォーカス能力を変えます。薄すぎる角膜に屈折矯正手術をすると、視力に影響が出現する可能性があります。

屈折矯正手術の経験がある:追加で屈折矯正手術をすることは勧められません。追加で屈折矯正手術をするかどうかは、個々人の状態に応じて、医師と慎重に話し合った上で決めなければなりません。

ドライアイレーシックLASIK)手術はドライアイを悪化させる傾向があります。

2005年10月27日

レーシックLASIK)に伴うリスク

多くの患者は、屈折矯正手術の結果に非常に満足します。しかしながら、他のいかなる医学処置と同様に、屈折矯正手術に伴うリスク(危険)が存在します。それゆえ、屈折矯正手術の限界と起こりうる合併症を理解することが大事です。

屈折矯正手術を受ける前に、自分自身の価値基準に照らして屈折矯正手術のリスクとベネフィットを慎重に検討しなければなりません。あくまでも決めるのは自分自身ですので、屈折矯正手術のリスクとベネフィットを評価する時には、屈折矯正手術を受けた友人や屈折矯正手術を勧める医師による影響を出来るだけ排除するようにしてください。以下が屈折矯正手術のリスクです。

視力が低下する場合があります:術後に、視力検査で視力の低下を認める患者がおり、その視力低下は眼鏡、コンタクトレンズ、手術で矯正できない場合があります。

厄介な視覚症状を発現する場合があります:夜の視覚に重大な影響を与えるギラギラ感、光輪、物が二重に見えるなどの症状が出現する場合があります。手術後に、視力検査で視力が良好であったとしても、夜間や霧の中などの低コントラスト状態で物が見えにくくなる場合があります。

治療が不十分または治療をやりすぎてしまう場合があります:手術により、20/20(20フィート離れたところから1/3インチの文字が識別できる視力)という正常な視力を達成できる患者は極僅かです。手術後に、再度治療が必要になる場合がありますが、再度の手術が不可能な場合もあります。手術してもコンタクトレンズや眼鏡が依然として必要となる場合があります。

重症のドライアイを発現する場合があります:手術の結果、目に潤いを与えて快適な状態に保つための涙が出にくくなる場合があります。ドライアイは不快感をもたらすだけでなく、断続的にぼやけた感じがおきたり、その他の視覚症状によって視覚に悪影響を及ぼします。そしてこの状態は生涯続く可能性があります。頻回の点眼やその他の処置が必要となるかもしれません。

とても大規模な屈折障害を有する患者では一般的に良い結果は期待できません:自分がどこまで視力が回復して欲しいかという期待について医師と話し合ってください。そして手術の後に依然としてコンタクトレンズや眼鏡が必要となる可能性があることを認識してください。

遠視の患者では、手術による効果が歳を追う毎に薄れていく可能性があります:もしあなたが遠視であるなら、手術によって回復した視力が歳を追うごとに低下していく可能性があります。毛様体筋麻痺性屈折(散瞳薬投与後の視覚検査)とマニフェスト屈折(散瞳薬投与前の視覚検査)で大きな差が認められるときにこの現象が起きることがあります。

レーシックLASIK)手術の長期間のデータはありませんレーシックLASIK)は比較的新しい技術です。レーシックLASIK)用のレーザーが初めて承認されたのは1998年でした。したがって、レーシックLASIK)の長期間の安全性と効果は不明です。

■ 上記以外のリスクについて

老眼患者における単眼視野(片方の眼だけで見ること)

単眼視野は老眼を矯正するための臨床上の方法です。老眼は近くの物に焦点を当てる能力が年齢と共に低下していく症状です。単眼視野では、老眼の患者は一方の眼は遠くを見て、一方の眼は近くを見るようにします。

この方法は、コンタクトレンズ使用者に適応され、最近ではレーシックLASIK)やその他の屈折矯正手術にも応用されています。コンタクトレンズにおいては、老眼患者はコンタクトレンズをした状態で一方の眼は遠視力を補正して、一方の眼では近視力を補正します。レーシックLASIK)においても同様に、老眼患者は手術後に一方の眼で遠視力を補正し、一方の眼で近視力を補正します。言い換えると、老眼患者における手術のゴールは、一方の眼の視力を不完全な状態(20/20未満)にすることです。一般的にはレーシックLASIK)のゴールは遠視力を矯正することです。一方の眼は遠くを見るように調節され、一方の眼は近くを見るように調節されるため、もはや2つの眼が一緒に働くことはなくなります。この結果、視覚の質が低下し、奥行きを認知する能力が低下します。光が少ない状態の時やとても鋭い視覚を必要とする物事を行うときに、単眼視野の影響が顕著に現れます。従って、夜中に運転をするときや、危険な装置を扱っているとき、近くのものをとても詳細に見る必要があるとき(細かい文字を長時間読むとき等)など、視力が頼りとなる物事を行う時には、遠くまたは近くを見るときに視力を補正するための眼鏡やコンタクトレンズが必要となる場合があります。

多くの患者は一方の眼を常に不鮮明な状態にしておくということに慣れていません。それゆえ、レーシックLASIK)で単眼視野を選ぼうとしているのであれば、手術をする前にコンタクトレンズなどで単眼視野の環境を作り出し、それに自分が耐えれるかどうかを知っておく必要があります。

また、将来自分の老眼がどれだけ進行するかを考慮する必要があります。単眼視野手術により眼鏡やコンタクトレンズを用いることなく近くのものが鮮明に見えるようになるのか、それとも近くの物を見る能力を更に改善するために2回目の手術が必要となるのかを医師に尋ねてください。

両方の眼を同時に治療すること

2つの眼を同時に治療することもあれば、片方ずつ2つの眼を治療する場合があります。一度に2つの眼を治療することは便利なので魅力的ですが、しかし一度に2つの眼を手術することは、2回に分けて1つずつ手術をすることよりも危険です。

もし1つずつ手術しようと決めたなら、あなたとあなたの医師は一度目の手術をした後にもう片方の眼を手術するまでにどのくらいの期間をあけるかを決めなければなりません。一度に2つの眼を手術してしまったり、手術後に完全に治りきるまでにもう片方の眼を手術してしまった場合には、最初に手術した眼が手術にどのように反応したかを知ることができません。

一度に2つの眼を手術することの他の欠点としては、どちらの眼でもクリアに物が見れなくなるというリスクが高くなります。一つずつ手術すれば、少なくとも一つの眼で常にクリアに見れるという可能性が高くなります。

2005年10月29日

自分にあった医師(病院)の見つけ方

屈折矯正手術を受けようと考えているのであれば、以下を必ず実行してください。

比較する:リスクとベネフィットは手術の種類だけでなく、機器の種類によっても若干変わってきます。また手術を行う医師の経験によっても手術の結果が変わってきます。

値段だけで手術する病院を決めないでください。また、最初に訪問した病院、医師、または最初に知った手術方法で良しとしないでください:あなた自身の眼に手術するのだということを忘れないでください。また手術の結果はあなたの残りの人生についてまわります。

広告に注意:“視力が完全に回復します”とか、“セット販売”をうたっている広告に注意してください。医療において「完全」はありえません。常にリスクが存在します。

ちゃんと読んでください:屈折矯正手術に使う機器の製造メーカーから医師に提供された患者ハンドブックを読むことはとても重要です。あなたの医師はこのハンドブックをあなたに提供する義務があります。そして、手術の結果あなたの身に起きうること(効能はもちろんのこと合併症についても)を医師はあなたと喜んで話し合あうべきです。そしてあなたは医師との話で得られたあなたの身におきることとハンドブックに記された試験の結果を比較してください。

非常に有能な医師が適切に選択された患者を手術した場合でも、重篤な合併症が起きるリスクが存在します。

手術中:機械の不調またはエラーにより、手術が中断されたり不可逆性の障害が起きる可能性があります。

手術後:切断したフラップが移動する、炎症や感染症がおきるといった合併症により、再度手術が必要になったり点眼で集中治療しなければならない可能性があります。たとえ積極的に治療しても、それらの合併症は一時的に視力を低下させたり、ひどい場合には不可逆性の失明を引き起こすことがあります。

経験豊富な医師のケアの下で、手術に対して過度ではなく妥当な期待を有し、リスクやベネフィットを明確に理解し、かつ適切なスクリーニング(検査)で候補者となった患者こそ、手術で得られた結果で幸せになれる可能性が高いのです。

広告について
ここまで読んできた方なら分かるとも思いますが、医療には失敗するリスクが必ずあります。別に医療に限らず生きていくうえで必ずリスクは存在します。ですので、あまりにうますぎる広告や信じられないほど良い効果を謳っている広告には注意してください。最も、きょうび、あからさまに「絶対失敗しない」といった広告をする病院や医師は存在しないと思いますので、屈折矯正手術をしようと考えている人は、このサイトで説明したリスクを隠さずに教えてくれる、または話し合ってくれる病院、医師を見つけてください。自分にあった病院や医師を見つける上で有用な方法の一つは、各病院が実施している無料説明会に参加することです。たとえばこのサイトでも画像を使わせてもらった神戸クリニックも定期的に無料説明会を実施しています。他の病院もしていると思いますので、そういった無料説明会を時間の許す限りはしごするのはとても効果的と思います。あなたの体の一部ですので、どれだけ時間をかけてもかけすぎということはありません。

2006年02月25日

レーシック(LASIK)手術前、手術当日、手術後の手順

レーシック手術の前、手術当日、手術後の手順は医師や患者によって異なります。このセクションは医療機器製造業者と医療専門家がまとめた患者向けの情報ですが、医師との話し合いに代わるものではありません。この情報をよく読んで、チェックリスト(現在作成中。しばらくお待ち下さい)を確認し、ご自分の希望を医師としっかり話し合ってください。

■ 手術前

レーシック手術を受ける前に、手術に適しているかどうかを調べる事前検査が必要です。事前検査に関して知っておくべき点は以下のとおりです。

コンタクトレンズをしている方は、事前検査を受ける前にコンタクトレンズの装着を中止し、常時めがねをかけるようにしましょう。レンズの種類によりますが、装着をやめた後も数週間は角膜が変形しています。手術前の一定期間コンタクトレンズの使用を中止し、角膜を自然な形に戻しておかなければ、手術の結果に悪影響があるかもしれません。たとえば、測定値の誤差や不適正な手術計画のために術後の視力回復が不本意な結果に終わることがあります。事前検査は角膜組織をどのくらい削るかを決定するものです。特に酸素透過性ハードコンタクトレンズやハードコンタクトレンズを使用している場合は、最初の検査から1週間以上の間隔をあけて再検査を行い、測定値に変化がないことを確認すべきでしょう。

 ・ソフトコンタクトレンズの場合は最初の検査の2週間前に使用を中止する
 ・トーリック(乱視用)ソフトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズの場合は3週間前には使用を中止する
 ・ハードコンタクトレンズの場合、4週間前には使用を中止する


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事前検査で医師に伝えるべき事柄

・現在の体調、病歴と眼の状態について
・市販薬を含め現在服用中の薬剤およびアレルギーを起こす可能性のある薬剤について

眼の検査を入念に行なった後、医師から以下の事柄がつげられるでしょう。

 ・あなたが手術に適しているかどうか
 ・手術のリスク、利点、他の選択肢について
 ・レーシック(LASIK)手術前、手術当日、手術後の手順
 ・手術前、手術当日、手術後にあなたがしなければならない事について

この話し合いの際、医師にあなたの疑問に答えてもらいましょう。その後、手術のリスクと利点を検討し、医師から渡された情報や書類を吟味し、さらに分からない点が出てきたら医師に質問するなどして、十分な時間をかけて手術の是非を判断した上でインフォームドコンセント(同意書)にサインしましょう。

医師や家族、友人などからのプレッシャーによって手術を受ける決断をすべきではありません。賛成意見と反対意見の両方を慎重に検討しましょう。

手術の前日に使用してはいけないもの

 ・クリーム
 ・ローション
 ・化粧品
 ・香水

こうした製品やまつ毛のゴミは手術中および術後の感染症の危険を増す恐れがあります。手術前の一定期間、残留物を取り去るため睫毛をしっかりとこすり洗いするよう医師の指示があるかもしれません。

また、手術当日と手術後最初の検査時に通院するための移動手段を手術前に手配しておきましょう。手術当日は安定剤を処方されることがあり、運転技能に悪影響が出たり、視界がぼやけることがあります。運転をしない方でも手術後は必ず誰かに付き添ってもらってください。

■手術

手術時間は30分もかかりません。手術はレーザーシステムを備えた検査室でリクライニングチェアに横になって行ないます。レーザーシステムには顕微鏡とコンピューター画面が付いた大きな機器が備え付けられています。

麻酔の目薬を点眼し、眼の周囲を消毒した後、開瞼器という器具で瞼を開いた状態にします。眼の上にリングを置き、角膜に非常に高圧の吸引をかけます、吸引リングがのせられている間、視界が薄暗くなります。また吸引中は圧力を感じ、いくぶん不快感があります。次に、マイクロケラトームと呼ばれる切開用の機器が吸引リングに取り付けられ、その刃で角膜からフラップ(蓋)が切り取られます。

マイクロケラトームと吸引リングはその時点で取り外されます。その後、手術が終わるまでは見えてはいますが視力が不安定でぼんやりとした状態が続きます。医師はフラップをめくり、角膜とつながった端を支点にしてフラップを折り返し、露出した組織を乾燥させます。

レーザーが眼の上にセットされ、光を見つめるよう指示されます。この光は角膜の組織を切除するためのレーザーではありません。レーザーの照射中に一点を見つめる補助となる光です。(注意:もし60秒以上、固定された点を見つめることができないようであれば、レーシック手術に適さない可能性があります。

眼が正しい位置にあるのを確認して、レーザー照射が開始されます。この時、今までなかった音や匂いを感じるかもしれません。レーザーの波動がカチカチという音を出すのです。また、レーザーが角膜組織を切除する際に髪の毛が焦げるような臭いがしたと言う人もいます。眼に照射されるレーザーの量はコンピューターで制御されています。手術開始に先立ち、事前検査で得られた測定値を基に一定量の角膜組織を蒸散させるよう医師がコンピューターに入力します。入力された量の角膜組織がレーザーの波動エネルギーによって蒸散されると、フラップが元の位置に戻されます。

フラップの縫合は行なわれないため、処置の最後に眼を保護する眼帯がかけられます。睡眠中に眼をこすったり、眼に圧力がかかるのを防ぐためにも、フラップが治癒するまでの間、誤って眼に衝撃が加わったり、眼を突かれたりしないためにも眼帯の装着は大切です。


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■ 手術後

手術直後は目がひりひりした感じやかゆみ、異物感があるかもしれません。不快感や、場合によっては軽度の痛みを伴うために、医師から鎮痛剤を処方されることもあるでしょう。両眼から涙があふれ出たり、涙目になったりすることもあります。視界はかすんだり、ぼやけたりします。眼をこすりたくなるでしょうが、我慢してください。眼をこするとフラップが外れ、さらに治療が必要になります。また、光への感受性が増し、グレア(光がまぶしく感じられる)、スターバースト(光が光源のまわりに放射状に滲む)、ハロ(光の周りに光の輪が見える)などの症状が出たり、白目が赤く充血したりすることがあります。こうした症状は術後数日で解消します。症状が緩和するまでの2,3日は前もって仕事を休みにしておきましょう。強い痛みを感じたり、視力やその他の点で症状の悪化があった場合は、次の来院日まで待たずに直ちに医師に診てもらいましょう。

手術後24時間から48時間の間に診察を受け、その後最低6ヶ月間は定期検診を受けましょう。術後最初の検診で眼帯が外され、視力検査と眼の診察が行なわれます。感染症や炎症を防ぐため点眼薬が処方されることもあります。眼を潤すため人工涙液を勧められることもあるでしょう。よく見えないからと言って、手術した眼にコンタクトレンズを使用してはいけません。


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運動量や体調、医師の指示にもよりますが、身体接触のないスポーツであっても手術後1日から3日は控えた方がいいでしょう。

感染症を防ぐため術後2週間あるいは医師の許可がおりるまでは、眼の周りにローションやクリームなどの化粧品を使用するのは控えましょう。手術の後も一定期間はまつ毛をこすり洗いするよう医師の指示があるかもしれません。また、水泳、風呂につかる、ジャグジーなどは1,2ヶ月は控えましょう。

ボクシング、サッカー、空手など身体接触を伴う激しいスポーツは少なくとも術後4週間はしてはいけません。眼に物が入ったり、ぶつかったり、衝撃を受けたりしないように眼を守ることが重要です。

手術後数ヶ月間、視力は不安定な状態にあります。

 ・手術してから視力が安定するまでに3-6ヶ月ほどかかる場合があります
 ・視力が安定するまでは、グレア、ハロ、夜間の運転が困難になる、などの症状が持続することもあります。矯正や視力増強がさらに必要な場合でも、3ヶ月以上の間隔をあけた2回の検査で眼の測定値が一致するまでは再手術を行なうべきではありません
 ・再手術をすれば遠くを見る視力は改善するかもしれませんが、グレアやハロなどの視覚症状が改善する可能性は低いということを考慮に入れる必要があります。
 ・レーザー製造業者から提示されたデータでは、視力増強手術の安全性や有効性に関して結論を引き出すことはできないというのがFDAの見解です。この点にも十分注意してください。

手術後いかなる時点であっても、いつもと違う症状や症状の悪化があった場合は、直ちに眼科医に連絡してください。こうした症状は早期に治療しておかなければ失明につながるような重大な問題の徴候である場合があります。


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以上、LASIKの基礎情報をお知らせしました。手術を受ける前には、必ず各クリニックの医師と会い、自分の疑問に適切に回答してくれる病院を探してください。

クリニックを直接訪問することは心理的に難しいかもしれません。その場合には、各クリニックが実施している無料説明会に参加してみるとよいかもしれません。たとえばこのサイトでも画像を使わせてもらっている神戸クリニックも定期的に無料説明会を実施しています。他のクリニックでも無料説明会をしていると思いますので、そういった無料説明会を時間の許す限りはしごするのはとても効果的と思います。

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